昔、走り屋の友達に山につれてってもらった。


まぁ俗に言う走り屋のスポット、峠のことやね。


信長ゆかりの城が建ってる山なんだけど、

そこには二種類の走り屋がいるの。


自動車で走る走り屋とバイクで走る走り屋がいたの。


その道は山を横断するようになってて、

バイクと車は山の頂点付近で

折り返しお互いがぶつからないようにしていた。


まぁその山には展望台があって

名古屋市とかまで見える美しいトコだったんだけど…


走り屋対策のためにね、

10時半に山のゲートが閉まるようになってた。


普段は走り屋が結構いて

一般者はハザードたきながらでないと上れないようななんよ。


最初に戻るけど、

その走り屋の友達と展望台まで行くことになった。


途中で腹がへってラーメン食べたもんだから、

ゲートが閉まる時間に間に合わなかった。


11時半くらいかな?


しょうがないから入り口の公園に車を止めて、

ゲート乗り越えて展望台まで上っていったわけよ。


すると歩いてる途中、

上のほうから一台のバイクが

ぶ~んと走る音と灯りが見える。


車の走り屋だった彼は


「あ゛っ?どこのルール違反の奴だ?」


と半切れ状態。


まぁお前が言うかとは思ったけど、

そこは車の走り屋の道だったわけよ。


暫くすると引き返したのか、

自分らが登ってる反対側に消えていった。


「ときたまいるんよ。ああいう馬鹿が」


と言われ納得したものの、

ゲート閉まってるのにどうして?という疑問が。


まぁ聞くのも鬱陶しく思われるだろうから聞かず、

暫く登ってたんだけと、

今度は後方からバイクの高い音が。


ちょっとありえないことに気づき


「怖いし第一展望台までじゃなく、

第二展望台で引き返そうか」


って話になりました。


それから展望台まで行って

同じ道を引き返すことになりました。


まぁ綺麗でした。


それを見るまでは。


展望台はちょっと突き出しており、

下の道が見えるのです。そこに


「武者ライダー」


がいたのです。


こうやって書き込んでる自分でさえ

笑ってしまう話なんだけど、

武者がバイクにのっかってるんです。


もう見惚れるくらいに格好いい武者が。


私の見てるものに気づいた友達が更に爆弾発言を。


「あれは武者ライダー!

そっか、さっきのは武者ライダーだったんか!」


…暫く空いた口が止まりませんでした。


走り屋の友達の知り合いかと思い尋ねてみると、


「ううん、あれは武者ライダー。

ああやってこの山の平和を守ってるのさ」


そういう彼はどこか遠い世界に行ってるようでした。


それからズダーン!と受身も取らずブッ倒れました。


慌てた私は友達を担いで、

追いかけてくるんじゃという不安がありましたが山を降りました。


道なんて無視して林をつっきる勢いで。


幸い友達は「人間軽量化」とかほざいてただけあって

比較的楽に下山できました。


一刻も早くその場所から遠ざかりたくて、

友達の車を必死で運転して彼の家まで行きました。


まぁそれからはてんやわんや。


友達の両親に色々聞かれたりして病院に行ったりして。


まぁ…結局いまでも謎なんだよね。


友達に聞いても覚えてないって言うし。


結局今でも同じ場所で走ってるみたいだしね。


考えるだけで今でもアレはなんだったのかと考え込みます。