夏休み。


友人のAは、

町内の子供会の役員をやっていた。


夏のイベントは、海水浴+バーベキュー。


小2の長男を連れて参加した。


彼はバーベキュー係。


楽しい昼飯も無事に終わり、

彼の役目も終了。


ビールを片手に寝転がっていた。


横では、丁度スイカ割が始まって、

自分の子供もそれに参加している所。


ウトウトしていた彼の耳に、

子供の声援が聞こえてくる。


「もっと右!」


「違う違う!」


大半の子供が失敗する中、

最初の子供が成功した。


「やった!」


「ギャー!」


目をつぶっている彼の耳に、

にぎやかな声。


しばらくすると、二個目。


「いいぞ!」


「ギャー!」


元気である。


そして三個目。


「そこだ!」


「ギャー!」


・・・・え、ギャー?


・・・それは声援というより、

女性の悲鳴に近い声。


それも子供の声には思えない。


彼は気になって目を開けた。


そこには楽しそうにしている子供がいるだけ。


悲鳴を上げそうな女性の姿は見えない。


不審に思っている所に、

最後の四個目のスイカに目がいった。


丁度狙いを定めた子供が割る所。


地面に置かれているスイカ。


・・・・いや、スイカじゃない!


少なくとも彼には、女性の生首に見えた。


子供の棒が振り下ろされる。


それは確実に生首にヒットした。


・・ぐしゃ!・・「ギャー!」


スイカが、いや首が、顔を歪ませ、悲鳴を発した。


つぶれ、二つに割れ、

中から赤い液体がほとばしる。


彼は立ち上がり子供達の方へ。


『なんて事をするんだ!』


そう叫ぼうと、もう一度スイカを見ると、

それはどこも不審な所のない、

ただのスイカになっていた。


彼は疲れているのだと、

自分に納得させて、ふたたび横になった。


そして、子供会も無事に終わった。


そして、それから数日が過ぎた。


彼は、あの日の事が気になって、

ちょっと調べてみた。


すると、数年前、

その海岸で女性が撲殺されていた事がわかった。


致命傷は、頭蓋骨陥没だったらしい。