友達の話。


A子はその日、いつもと同じようにベッドに入った。


なかなか寝付けず、しばらくゴロゴロしていると、

どこからか「コンッ」と言う音がする。


断続的に音は鳴り、どうやらそれは、

部屋の外、しかもドアのすぐ側で鳴っていた。


「なんなんだ?」


とA子が言った瞬間、ドアノブが


「ガチャガチャッ!」


と回された。


ドアが静かに開いていく。


A子は恐怖で固まって動けない。


そして、開いたドアの隙間から、

何かが出てきた。


…白い、腕。


「…手!!??」


A子はそう分かった瞬間、

とっさにベッドから起き上がり、

ドアを思い切り閉めた。


すると、手首まで出ていたその腕は、

ブチッと千切れ、落ちた。


A子はパニックになり、

慌てて布団に潜り込んで、

朝まで震えていた。


やがて空も明るくなり、

恐る恐る腕が落ちた辺りを見た。


が、何かがあった痕跡は一つもない。


そしてその後一度も

「何か」は来ていないらしい。


この話聞いた時、腕が出てきた事よりも、

腕を千切っちゃったA子が怖かった。


呪われるなよ!!