とてもうるさい店だったので、その男は耳栓替りにパチンコ玉を左右の耳に詰めた。

ところがあまりぎゅうぎゅう耳の奥に詰め込んだので、抜けなくなった。

耳掻きで取りだそうにも、耳掻きを入れる隙間もない。


そこで男は、知人が勤めるある企業の研究室を訪れた。

以前、そこの研究室に実験用に超強力な電磁石があるという話を聞いていたからだ。


知人は呆れ返り、

「はっはっは。バカなやつだなぁ。まぁいい。うちのは無茶苦茶強力な磁石だから、簡単に抜けるよ。そこのところに耳をつけて」

男は装置の磁石の所に、まず右の耳をつけた。

知人が電磁石のスイッチを入れる。


言葉どおり、その磁石は超強力で、パチンコ玉は瞬時に磁石に引き寄せられ、カキーンカキーンという衝突音が研究室に響き渡った。


「カキーンカキーンという衝突音」は、2つのパチンコ玉が磁石にぶつかった音。

つまり、右耳を磁石につけたら、左耳にあったパチンコ玉も磁石に引き寄せられ、2つのパチンコ玉がそれぞれぶつかる音が響いたというわけだ。

…脳を突き抜けて。