自分が幼稚園に通ってた頃。


夜店でGETした金魚を家で飼っていた。


透明なプラスチックの容器に入れて。


自分は、親切のつもりで金魚に布団と称して、ティッシュを巻いてやった。


ずっと水の中では寒いんじゃないかって。


1匹1匹丁寧に。


当然の如く金魚は死んだ。


飼ってた十数匹全滅させちゃったんだ。


幼さ故の過ちってやつ。


親にすっげー怒られた。


でも、怒られた理由を自分は理解出来なかった。


アフォだったからな。


そして。


その数日後から、夢に金魚が出てきた。


でもその金魚がすげーデカい。


3mくらいあんの、大きさが。


で、自分を襲ってくるんだよ。


噛み付いてきたりして。


目が覚めると、体中に謎の痣が出来ていた。


ひどく鮮やかな緋色の。


それはまさに夢で金魚にやられた場所と同じだった。


皮膚科に通ったけど、原因は全く不明。


それから眠るに眠れない日々が始まった。


眠ると「必ず」巨大金魚が出てきて、襲われる。


そして起きると増えている緋色の痣。


自分の身体は日に日に斑模様になっていった。


そんなある日、信心深かった父方の婆様が、


「そりゃあ金魚が祟っとる。供養せにゃ」


って言って、自分にオマジナイを教えてくれた。


それは、眠る前に西を向き、


「金魚さん、ごめんなさい。怖い夢を見せないでください」


って拝むってヤツだった。


それを始めた途端、ウソのように悪夢は見なくなった。


だが、それをちょっとでも怠ると(うたた寝とか)また繰り返し。


そんな日々を3年ほど続けたんだが、

ある日うっかりオマジナイをしないで寝たのに、

金魚は出てこなかった。


成仏してくれたのかな、と思った。


病院通いの日々とか、ホント洒落になんなかった思い出。


生き物は大切に。