会社の先輩が大学時代一人暮らししてた時の事。

ある日、バイト先で変な感じがして店の入口を見ると、ドアのかげに女の足が見えていた。
遠目で分からないはずなのに、骨と皮だけのように細く、白いような黒いような色で、なんだか死体みたいだと思った。

ビビりだった先輩は、身体が跳ねるくらいビクッとしてしまい、持ってたグラスから水が零れ、一瞬目を離したすきに足は消えていた。
入口は自動ドアで上下がガラス張り。人が立っていれば全身見えるはずが、足しかなかった。

その日は雨で、バイトも早上がりだったため20時くらいには店を出たが、いつも通る大通りではなく、人通りは少ないけれど近道になる裏道を通りたくなった。
裏道は全く人影はなく、しかも街灯は薄暗くて気味悪い夜だった。

しばらく歩いていると、前方の街灯の下に白い服の女が立っており、何だか近づくのがとても嫌だと感じた。
急にバイトで見た足を思い出した事もあり、引き返したくなったが、なぜかそのまま進んでしまった。

その女の前を通るとき、ビニ傘ごしにチラッと見たら、その顔は例の足のように、骨と皮で痩せこけており、死人のような肌色をしていた。
あっと思った瞬間、女が先輩の方を見てニヤリと笑った。
先輩はビビって逃げて帰ったが、しばらくすると誰かが部屋のドアをノックする音が聞こえてきた。
友達なら電話してから来るし、チャイムを鳴らすから変だと思い、ドアスコープから見てみると、さっきの女がドアの前にいた。

びっくりして、部屋の奥に駆け込み、近くに住んでる友達にすぐ来てくれ!っと電話したが、その間もドアを叩く音がだんだん酷くなっていて、ドアが壊れるかってくらいに叩き出し、おおおおおおぉって声までしてきた。

先輩はビビってお経も知らないのに南無阿弥陀物南無阿弥陀物と必死に繰り返していた。
そのうちに、気がついたらドアを叩く音は消えており、チャイムが鳴っていて、友達から電話がかかってきてドアの前にいるのが友達だとわかった。
友達が部屋に来たときは別に変わった様子はなかったと言う。

その日は友達に泣きついて部屋に泊めてもらったが、どうしても自分の部屋に戻るのがいやで、結局その友達のところに転がり込んだ。

その女は誰だったのか、なんで先輩についてきたのかわからないが、怖い話好きな知り合いに、一人暮らしのバイト三昧で疲れていて、内心寂しいと感じていた(先輩は友達が少ない)ところ、悪霊につけ込まれたのでは?という結論になった。

それ以来女は現れず、今に至る。