このお話は、某ホテルのK専務から聞いたお話です。


北O道 O尻での出来事です。


「お疲れさま」


と布団引きのアルバイトの子が二人事務所に戻って来た。


K専務は


「454号室のお客様がまだチェックインしていないから、

もうちょっと待てくれ」


と告げた。


すると、そのアルバイト二人が


「454の部屋に鞄がありましたから、引いてきました。」


と答えた。


K専務は


「まさか?」


と言って、フロントに行ってみた。


やっぱり、チェックインはしていなかった。


「やっぱり、チェックインしていない。違う部屋と間違ってるじゃない?」


と聞くと、二人は顔を見合わせ


「間違いないよねー」

「うん、確かに454だった」


K専務は


「じゃー、その部屋へ行こう」


と行った。


K専務はアルバイト二人とT支配人と四人で454号室へ行った。


部屋のチャイムを鳴らし、鍵を挿した瞬間、T支配人が


「声しなかった?」


と行った瞬間4人は背筋に”ゾクソク”と寒気がした。


K専務は、またチャイムを鳴らしたが何も聞こえなかった。


1分位待ったが人が出て来る気配がないのでドアを開けることにした。


「失礼致します」


と部屋のドアを開けた。


電気はついていた。


部屋を見渡すと布団が二枚引いてあった。


しかし、鞄はどこにもなかった。


「ほら、鞄なんかないじゃない」


とK専務が言うと、アルバイト二人が顔を見合わせながら

納得のいかない顔していた。


四人は事務所に戻り時計を見ると8時をまわっていたので、

二人に454号室こないと思うから電気だけ消して来てと頼んだ。


二人は


「やだー」


と言っていると、レストランのアルバイトの子が

飲み物伝票置いていきますと置いていった。


T支配人が


「もう、みんな食べ終わったの?」


と聞くと


「はい」


と出ていった。


四人は顔を見合わせレストランに飛んで行った。


「454号室来たの?」


と聞くと


「はい、5分位前に」


・・・


四人の顔が見る見る青ざめた。


K専務は事務所に戻りそのお客様に電話した。


(トゥル~・トゥル~)


K専務の顔が真っ青になった。


K専務はこういった。


この世の物の声じゃないと・・・


そして、454号室にはこの日誰も行く人はいなかった。


次の朝、K専務に454号室布団引いてあるからあげておいてとたのんだ。


そして、しばらくすると電話がなった。


「はい、フロントです」


とT支配人がでた。


T支配人が声を震わせ、

K専務に454の布団がびしょ濡れだと・・・

私に真面目な顔で話してくれた。


そして、三日後女性の水死体がホテルの近くの海岸であがった。


その女性が、宿泊するはずのホテルが・・・

ここのホテルだったそうです。