当時、メゾネットタイプのマンションに住んでいた。


一棟に2世帯分しかない小さな建物だけど。


ある日の深夜3時頃、

激しい目覚まし時計の音で目が覚めた。


うちにある時計からではなく、

隣人の部屋から聞こえるものだった。


寝室は2階にあり、

隣の部屋の造りはうちと対象なので、

寝室も壁を隔てたすぐ隣。


間に壁があるとはいえ、

アナログ時計の「ジリリリリ」という音は

夜中だとかなり響いて聞こえる。


しかし一向に止まる気配はない。


隣人はよほど寝起きが悪いのか不在なのだろう。


3~4分待つと止まる。


不快に思いながらも

その日はそのまま眠りについた。


次の日の深夜、

また目覚ましの音で起こされた。


そして次の日も。


3~4分待つと止まる。


おそらく放置していても3~4分で止まるのか。


賃貸ではなかったので、

どこに苦情を出せばいいのかもわからず、

その日から1階のリビングで寝る事にした。


おそらく長期の旅行にでも行ってるのだろうと思っていた。


それからしばらくして

隣人は寝室で自殺しているという事が分かった。


警察も訪ねて来て事情を聞いた。


死後、2ヶ月~3ヶ月という事を聞いてゾッとした。


その間、毎晩壁を隔てた隣の部屋で

自分が寝ていたという事もそうだけど、

目覚ましの音で悩まされたのは、

まだここ1週間くらいの話という事に。


念の為その事は話したが、

その後どうなったのかはわからない。