高校卒業後、大手警備会社に就職して

自宅近くの地元の営業所に配属。


警察のパトカーみたいなカラーリングの会社の車

(会社では「パトカー」って呼んでた)

で夜中学校や企業の巡回をしたり

警報が鳴った際駆け付けたりしていた。


その営業所が受け持つエリアに

県立の宿泊教育施設があって

宿泊の無い日は毎晩施設内を巡回することになっていた。


その施設はちょっとした山の中にあって

オレが小学生の頃から「出る」と噂のある有名なところだった。


夏の宿泊シーズンも過ぎ、施設内を巡回したある日の出来事。


巡回を終えていつもの様に報告書を

施設のセンター長の机に置き、

機械警備をセットしてドアを施錠し

パトカーに乗り込み施設の門まで行き門を閉めて施錠。


再びパトカーに乗り込んだその時無線から


「おーい」


ビビった。


普段だったら暗号で

「○○(支社・営業所名)○号車××―○×○(契約先の暗号)発報」

とかなのに。


そしたら再び無線から


「おーい」


んでビビってカーラジオをつけた時気付いた。


「オレいつも巡回のとき無線消してるよなぁ…」


オレは住宅街の中の学校で巡回する際無線の声が

周囲に迷惑になると思い無線を消す癖をつけていた。


勿論その時も無線は切っていた。

(実際は切らないほうがいいのだけどね)


警備員やって色々と恐いことあったけど

初めて恐い体験をしたのはこれが最初でした。