おいらが消防のころ、おばあちゃんが亡くなりました。 
 

おばあちゃんは、ちと有名な絵描さんでした。 
 

なくなったとき、地元のデパートの最上階で追悼個展を開きました。 
 

それは、基本的なスタンスとして、売買や譲ったりというのはなしということだったのですが 

あるおじさんがどうしても欲しいと言うので、ばあちゃんが最後に描いた絵を譲ることにしました。 
 

それから、2年ほど経った今その絵は家に有ります。 
 

そのおじさんから連絡があり、その絵を引き取ることになったのです。 

絵を持って行った当初、おじさんは絵をちゃんと飾っていたらしいのですが 

一年ほど経ち新しい絵を購入し、ばあちゃんの絵を押入れにしまったのだそうです。 
 

その家には、霊感の強い娘さんがいて、絵を買ってきた当初から「あの絵はさびしい」 

としきりに言ってたらしいのですが、絵を押入れにしまってから娘さんが 

「夜中になると、家の中を見知らぬおばあさんが歩き回ってる」 

と言うのだそうです。 
 

日が経つにつれ、「昼夜とわず家の中を歩き回って何かを探している・・・ 

このままでは、ノイローゼになりそうだ」 

どうやら、そのおばあさんは押入れから出てくるらしいのです。 
 

押入れを調べたおじさんは、あの絵のことを思い出し、有名なお寺さんにもって行きました。 
 

すると、「この絵の作者は、自分の息子を探しているんです」・・・・・・・・・ 

結局、オレのオヤジが長男ということで家にくる事になりました。 
 

絵が来た当初は何も教えてくれませんでしたが、俺が中学生の時に真実を教えてもらいました。