一年くらい前の事かな。


俺の家は結構田舎の方にあって、夜になると街灯があまり無く、

人通りもすくなくてそれだけで結構怖かったりします。


近所の(といっても歩いて15分くらい)友人の家に行っていて、

その帰りのことでした。夜中の一時過ぎくらいだったと思います。


歩きだった俺は近道しようとある神社の敷地内を通ったんです。


すると、カツーン、カツーンという音が聞こえたんです。


まさか、丑の刻参りってやつか・・・?


怖いのと興味が半分ずつぐらいで、

結局、音のする方へ行ってみることにしました。


そーっと近づいていってみると、

ぼんやりと地面に置いた蝋燭の光が見えてきました。


その光の中に浮かび上がったのは、

人形を木に打ちつけている一人の女でした。
 

年齢は30くらいのように思えました。


その目は憎悪に満ちているにもかかわらず、

無表情なのが恐ろしさを増していました。


俺は怖くなって後ずさりし始めたんです。


そしたら、しくじって音を立ててしまったんです。


女がこちらを振り向きました。


さっきまで無表情だったのが、カッと目を見開いて、

鬼のような表情をしていました。


俺は走って無我夢中で逃げました。


すると、なんとその女が追いかけてきたんです。


女は何かを口走ってましたが、

何を言っていたかはよく覚えてません。


必死になって再び友人宅に辿り着きました。


どうやら、あの女を途中で振り切ることが出来たみたいです。


友人に訳を話してその晩は泊めてもらうことにしました。


やっと落ち着いて、友人の部屋でくつろいでいると、

またもや心臓が止まる思いをすることとなったんです。


ふと、部屋の窓から階下にある通りを見ると、

あの女がじーっとこちらを見ていたんです・・・・。


うわーーーーーっ!


思わず俺は悲鳴を上げてしまいました。


友人と再び窓の外を見たときには女はいなくなっていました。


その後、その女を見かけたことはありません