うちは4人家族で、

父と母、弟といっしょに住んでいます。


私も弟も成人で、同じ部屋です。


その夜は横になりながらテレビを見ていたのですが

いつの間にか寝てしまったようで、

気が付くと深夜0時をすこしまわったぐらいでした。


家族は毎日0時前には床に着きますが、

母はまれに遅くに風呂に入るときがあり、

この日もそうだったらしく、

私が起きて廊下に出ると風呂場の電気がついていて


「ちゃぷ、ちゃぷ」


とお湯を体にかけている音がしていたので、

母が入浴していると思いました。


うちの風呂場は家の中ほどにあって窓はなく、

すりガラスでできたスライド式の戸です。


私はなにか飲もうと台所にいくと、

着替えの用意をしている母がいました。


私が


「いまから風呂入るの?」


とたずねながらこたつに座ると、

雑魚寝している父の姿がありました。


母は


「○○(弟)の後にね」


と言ったので、


「○○寝てるよ」


と答えてから背筋がゾクっとなりました。


母を見ると、は?という顔をしていました。


私が起きたとき、

たしかに弟がベッドで熟睡しているのを見ていました。


母は自分がうたた寝から目覚めたとき、

誰かが風呂に入っていたので

空くのを待っているとのことでした。


私と母は一気に青ざめました。


母は確認のために台所のドアを開けて

廊下越しの私たちの部屋に向かいました。


途中にある風呂場は

相変わらず電気がついていて

かけ湯の音が聞こえます。


私は父を起こそうと声をかけます。


母は部屋の戸をあけると

すぐにビクッとしてうしろに下がり、

小声で


「いるいる!」


と言いました。


その瞬間、体が震えだして

うまく動けなくなりました。


家族以外の誰かが風呂場にいる。


父が起きだし、私は声にならない声で


「なにかいる、なにか」


とやっと伝えました。


母はもう玄関から外に逃げようとしていて、

ドアのところで手招く動作をしています。


私と父はこわばりながら

奥の部屋から武器になりそうなものを探しにいき、

子供のころ使っていたバットと

洋服かけの支柱を引き抜いて台所に戻ると

風呂場の電気が消えていて、

音もしなくなっていました。


父が戸をあけてみると

風呂場には誰もいなく、湯船も空でした。


母がもどってきて家中を確認しましたが、

特に異状はありませんでした。


気味が悪く、その夜は

家の電気をつけたまま布団に入りました。


翌朝、弟に話すと

弟は私がうたた寝している間に帰宅して

疲れていたのでそのまますぐに寝たそうです。