大学の友達の話


俺の友達のT君は

自らすすんで怖い話をするわけじゃないんだけど、

たまに学校等で数人で怖話で盛り上がっちゃう時に

体験談を語ってくれる。


そのひとつに、

T君が長期休みに帰郷する際(大学は首都圏で地元は北海道)

同郷の友達と一緒に帰ったらしい。


羽田空港を飛び立ち、

道内の空港(名前忘れたw)に到着し、

電車を乗り継いで実家の村に近づいたとき

二人で窓の外を見てたらしいんだけど、

周りは田んぼばかりのところに

小さな鳥居と小さな社?があって


「こんなのあったっけ?」


ってな感じで

二人とも窓から見えなくなるまで

ずっと見てたらしいんだ。


んで、電車を降りて歩き出したとき

Tは友達の様子がおかしいことに気づいて

声をかけたけど変事はない。


友達はだんだん息遣いが荒く、

顔が赤くなりだした。


Tは途中まで車で迎えに来てもらってたらしく、

その友達の家まで送っていってあげたらいい。


数日後、T君は連絡してみたが友達は出ない。


ひどい風邪でも引いたのかな?

と思ってたら、近所の人が


「××さんの息子さんがキツネに憑かれて

今除霊?をやっているらしい」


という話を親から聞いた。


その翌日くらいに除霊師(村のばぁちゃん)が

T君の家にやってきて


「○駅~×駅の間にある稲荷さんにいかなかったか?」


と聴かれ、


「行ってはないが

それらしき神社は電車の窓から見てた」


と答えたら


「やっぱりか。

あそこのお稲荷さんは、よく人に憑くからな。

お前も気をつけろよ!」


といわれたらしい。


その後の話、とりつかれた友達は

ずっと奇声を上げ目が人の顔じゃないくらい釣りあがり

尋常じゃないくらい高く飛びはねて、

近づく家族にさえも噛み付くほどだったらしい。


今はもうお祓いしてもらい、

なんともないがそのときの記憶がまったくないらしい。