夏の事なんですけど、

暑い中、客が来るということで、

家の掃除をしていました。


で、押入れの整理に移ったんです。


押入れの中からはいろいろ物が出て来て、

手に取ってはついつい懐かしむ…


そうやって片付けは長引きました。


一人暮しなんで

まぁ出てくるっていっても知れたもんですが、

その中にとても綺麗な模様の木の箱を見つけました。


何だろう?と思いつつ開けてみました。


中には大きめの爪切りだけが入ってました。


自分はこんなものしまった記憶はないので、

とても不思議でしたが、

そのまま押入れのそとに出しておくことにしたんです。


その夜、友達が来ました。


せっかく片付けた部屋は

あっという間にちらかりました。


しかし自分は友達に帰れとも言えず、

まぁ仕方ないかな、と思ってました。


そうして酒が入り、

だんだん酔ってきた友達は、

置いてあった爪切りの入った箱に手を出しました。


「ちょうど爪が伸び取ったで借りるわ」


と友達は手の爪を切り始めました。


カチッ、カチッ、爪を切る音が部屋に響きました。


すると友達がいきなり

「ヒッ」と声を上げました。


フカヅメでもしたんだろうと思い、

聞いてみると、


なんと、両手の爪を切り終わったとき、

小指の隣に指があったと言い始めました。


酔ってるんだと私が言うと、

彼は、自分の切った爪の塊を数え始めました。


そこにあった爪は…11個


さすがに私も気味が悪くなり、

急いで近くの公園のごみ箱に

爪と爪切りを捨てにいきました。


怖い夜でした