25歳時のある夏の話です。


自分は伊豆高原の友達の別荘を目指し、

助手席の友人と海沿いのバイパスを急いでいました。


深夜2時位なので、

伊東港を越えると周囲は真っ暗でしたが、

カーブを曲がった瞬間ヘッドライトに突然


「自転車のハンドルを握ってこっちを睨み付ける青年」

が浮かびあがりました。


しかも車道の真ん中です。


「うわっ」


びっくりして急ハンドルを切って

何とか回避しました。


「あぶねー奴だ。あぁ事故らないでよかった」


としか思いませんでした。


しかし赤いヘルメットと

血走った物凄い目が何故か目に焼き付いて、

2人とも何となく無口のまま目的地に着きました。


そして2日後の夕方帰り道で

同じ場所を通りかかったのです。


「ここで事故りそうになってさぁ」


と説明した場所には花束が沢山積んでありました。


別の車に分乗して帰った友人に早速電話したら、

彼女は沈黙した後


「実はあの青年の腰から下は透明だった。

ドライバーを動揺させまいと黙っていたけど、

助手席からは凄くよく見えた」


と震える声で語ってくれました。


自分は霊感はまったくないのですが、

あれは一体何だったんでしょうか?