知り合いの警備員に聞いた話。


その人は、

某官庁の警備員?守衛?なんだが、

そこは結構「出る」らしい。


知ってると思うけど、

官庁ってのは夜遅くまで残ってる官僚が結構いて、

完全に無人になることはあまり無い。


で、何年か前にその人が

門の操作(警備室で操作してあけるゲート)当番だった時のこと。


あまり人が来ない休日の昼下がり。


暇で暇で仕方が無いと言わんばかりに、

ぼけーっと外を眺めてたらしい。


何気なく門を見て、

妙な事に気がついた。


締めているはずの門。


そこから、手が生えてる。


当然だけど、門は結構頑丈で

人が手を入れられるような隙間は無い。


でも、実際手が生えてる。


それどころか手が

こっちへおいでおいでするかのような動きをしている。


呆気にとられて見つめていると、

壁の向こうから「朝刊です」の声が。


今は午後二時。


朝刊のわけは無い。


そういえば、

昨日近くでバイクの事故があった。


元来そういうものが苦手なその警備員は、

その時点で完全に固まってしまい動けない。


すると、手がどんどん激しく動き出す。


もう最後はほとんど振り回してる状態。


降り注ぐ穏やかな陽光と、

荒れ狂う門から生えた手。


半分泣きながら、

先輩警備員を呼んだそうだ。


ただならぬ状況にかけつけてきた先輩は、

その状況を見て顔を真っ青にして怒鳴りつけてきたとか。


「何やってんだバカ!!」


そういうと先輩は、

おもむろにゲートの操作盤をいじって、

何とゲートを開け始めた。


「やめてくださいよ?!」


と慌てて止めに入ると

突き飛ばされて、

机に腰をしたたかに打ったそうだ。


そして、徐々にあき始めるゲート。


もうがたがたしながら

ゲートを見つめるその人の目に飛び込んできたものとは・・・・


警察庁長官だったそうな。


警備室内のインターホンの受話器が外れてて、

外からの連絡が入らなかったらしい。


で、たまたま少し空いてた隙間から

手を入れて警備員を呼んでたとか。


あとでこっぴどくしかられて

死ぬかと思ったと言っていた。


バカだ。