学生の頃の話なんだけど

心霊スポットが好きでよく友人と出かけていた


その日は、

山の方にある田舎の廃病院に出かけてた


日も落ちた19時頃にその場所に着いて、

いざ突入というところ


大体こういう場所は噂が立つだけで、

いわくつきでも何でもないことが多い


何か出てくるかも?

というドキドキ感がたまらないだけ


前に行った廃ホテルでは

頭の悪そうな不良カップルとばったりあって、

お互いびっくりしたぐらいの出来事しかない


その日も鼻で笑いつつ、

3人で懐中電灯を持って正面玄関から入っていった


程よい寂れ具合は最高のお化け屋敷で、

下手なアトラクションよりも楽しい


できれば幽霊が出てくれば最高!


部屋をのぞいたら、

包帯ぐるぐる巻きの女性がでてきて

「ギャーー」なんて展開を期待してた


幽霊が怖くないといったら嘘になる


その怖さを拭うために

3人でいつもくだらない話を絶やさないのが暗黙の了解


沈黙は疑心を掻き立てるからね


で、病院内なんだけど、

閑散としてて意外に味気なかった


カーテンとか棚とかは全部なくなってて、

広い部屋がいくつかある程度


病室もベッドとかは全部なくなってて、

回っててもあまり面白いものは見つけられなかった


お得意の地下霊安室も存在しなくてガッカリ


ただ、こういう場所ではトイレを覗くのが一番怖い


日本にはトイレにまつわる話は多いからね

(怖い話も下の話ってことか・・・


3階の病室も回りきり、幽霊の怖さより

「崩れるんじゃないか?」

って怖さのほうが前面にでだした頃に事は起こった


それは1階に戻って外に出るときのこと


病院の入り口は正面玄関のほかに、

裏口と救急搬送口がある


救急搬送口から出ようして歩き始めてから、

程なくして会話が途切れた


それと同時に一瞬足が止まる・・・


途切れたというよりは、

遮られたに近いかもしれない


「あのさ」って言えば

また会話が始まるかもしれないのに、

それすら言えない


3人仲良く話してたときに、

嫌いなやつが


「何々?何の話?」


って割り込んできたときに似てる不快感


まるで後ろに誰かが居て、

自分達の会話を邪魔してるように思えて、

後ろが振り向けなくなった


ナンノハナシ?


3人(?)で黙々と搬送口に向かって歩く


途中、一人が割れたタイルに躓いて体勢を崩しても

「大丈夫?」の一言すら出ない


今思い出しても異様、普通一言ぐらいかける


わき目も振らず、無言のまま搬送口の前へ・・・


搬送口があかなかったらどうしようと心臓バクバクだったけど、

なんとかすんなり外に脱出


逃げるようにして帰りました


時間にしたら数分なんだろうけどね・・・


なにか見たわけじゃないけど、

あそこには二度と行きたくない