私の彼氏とその友人が体験した話。


聞いた話なので曖昧な箇所があることを

許してください。


深夜、友人Yさんから

彼氏(K)に電話がかかってきた。


何でも、Yさんの携帯に知らない女性から


「Yさん…助けて…Yさん…助けて…」


と電話が来たのだという。

(番号が表示されていたかどうかはわかりません)


Yさんがどこにいるのかと聞くと、

その女性は某所の公衆トイレにいるらしい。


イタズラかもしれないと思ったが、

本当に何かあってはいけないので

Yさんはそこへ行くことにした。


そこで、一人では怖いのでKに同行を願ったのだ。


2人は車でそのトイレへ向かった。


到着して、電話の声は女性だったので、

とりあえず女子トイレの方を覗いてみた。


トイレは個室が(多分)3つあって、

入り口と向かって反対側に窓があるという感じ。


Yさんが


「Yですけどぉ…?助けに来ましたぁ…」


と呼びかけてみた。


が、返事はない。


個室も全て開いている。


何だ、やっぱり誰もいないのかと、

2人はトイレを出た。


すると、トイレの中から、


キィ…バタン


と音がした。


2人が?と思って中に入ってみると、

一番奥の個室が閉まっている。


誰か入ってる…?


2人はその個室の前に行き、

ノックしてみた。


すると、コンコン、とノックが返ってきた。


2人は誰かいるんだと思い、


「Yです、助けに来ました…」


と言った。


けれど返事はなかった。


もう一度ノックをしてみると、

ノックは返ってくる。


2人は不審に思いながら

もう一度外に出た。


するとまた、

バタンとドアの閉まる音が聞こえた。


2人は、??という感じで

また中に入ってみると、

今度は2番目の個室が閉まっていた。

(奥の個室も閉まったまま。つまり2つの個室が閉まっている)。


今度はその2番目のドアをノックしてみた。


すると、ノックが返ってきた。


「誰かいるの?」


呼んでみたけど返事はない。


そこで、ちょっと失礼して

上から覗いてみることにした。


よじ登って個室の中を見ると………


誰もいなかった。


どちらの個室にも。


確かにノックが返ってきたし、

鍵もちゃんとかかっていた。


2人は少し怖くなってまた外に出た。


どういうことだろう??

となっているところに、

自転車の男子高校生が1人通りがかった。


「何してるの?」


とその男の子が話しかけてきたので、

幽霊がいるかも、と話してみた。


興味を持ったその男の子も参加(?)し、

もう一度トイレに入った。


2つの個室は閉まったまま。


そこでさっきのことを繰り返してみた

(ノック&ノック、上から覗く。やはり誰もいない)。


3人は外に出た。


「本当だw」


と男の子。


男の子は友達を呼ぶと言って誰かに電話していた。


そうこうしているうち、

またトイレからバタンという音が聞こえた。


3人が中に入ってみると、

2番目のドアが開いていた。


??と思って、

またドアをノックしようとした。


Kだけが個室に近寄り、

Yさんと男の子の2人は入り口付近で見ていた。


と、Kがふと2人の方を見ると、

何か様子がおかしかった。


「…お……おい……」


等と言いながら、

Yさんたちが真っ青な顔で…窓の方を見ている。


Kも窓の方を見てみた。


信じられない光景があった。


血を流した女が窓からトイレの中を覗いている。


3人はびっくりしてトイレから出た。


そんな時、

男の子の友達(女の子が2人)がやってきた。

(さっきまでのことを女の子2人に

話したかどうかはわかりませんが)


5人でトイレに入った。


奥の個室は閉まったまま。


そしてまたKがその個室をノックし

(ノックが返ってきたかどうかはわかりません)

窓の方を見てみると……いる!


女が窓からこっちを見ている。

(見えている部分は多分肩から上ぐらい)


女の子は悲鳴を上げ、

5人はトイレから飛び出た。


5人は相当ガクブルだった。


色々と言っているうちに、

あの窓を閉めたらどうなるのだろう?と

言い始めた。


そこでジャンケンをして、

負けた人があの窓を閉める、

ということになった。


ジャンケンの結果、

女の子のうちの一人が負けてしまった。


再びトイレに突入。


依然奥の個室は閉まったまま。


ノックをする。


窓を見る……いる!!


女の子は急いで窓に手をかけて閉めようとした。


とその瞬間、なんとその女の手が、

バッと女の子の手を掴んだ。


女の子はもう泣いている。


それでも必死に窓を閉めきった。


女の手も消えてしまったように見えた。


掴まれた女の子の手には

血がべったりついていた。


女の子は泣きながらそれを洗い流した。


その後5人は解散したそうです。


文章にしてみるとあまり良く伝わりませんが、

私はこの話を聞いたとき、

本当にこんなことが、

しかも身近にあるのかと驚愕と恐怖でした。


私は誰かのイタズラで、

怖がらせようとして窓から覗いてたんじゃないの?

と言いました。


でもそのトイレの窓側は絶壁で、

人が立てるようなところではないと言っていました。


上から吊ってたとか?

というのも無理らしいです。


何より、その女の生を感じられない顔、

髪型や服装などが、

絶対に現代に生きている者ではない、

とKは力説していました。


女の子の手に付いた血も見間違いじゃない?

と言いましたが、

確かに水に流れていく赤い血を見たそうです。


その女が窓から覗いているのに気づく前は、

女はいたのでしょうか?


Yさんへの電話もその女からなのかも謎です。


そもそも何故Yさん指名?


女の子は窓を閉めるときに見た(目が合った)女の顔が

忘れられないとその時言っていたそうです。