小学の高学年だったはず


初めて金縛りを体験したんだけど

その話を一つ


通学路の途中で猫を見つけた


家でペットを飼うか飼わないかの話があったから

その猫を飼おうと思った


とても人懐っこくて

家から持ち出したパンの耳をあげたら

ついてくる様になってた


名前はみかんでメスだった


家で飼い始めてから1年ちょっと


家から飛び出して

前の道路で轢かれて

そのまま死んでしまった


学校から帰ってきたあとの母さんの話がそうだった


会いたいって言ったんだけど

もう業者さんが持っていった後だった


その日は泣きっぱなしだった


初めてペットを飼う不思議な感覚とか

やっぱり近くに居るとかわいく思えた


ものすごくかわいがってた


数日後なんだけど


夜中に急に眼が冴えて

金縛りにあった


目の前に知らないおじさんが覗き込んでた


眼とか口とかカッと開けてる


なんか驚愕してるような顔


すごく怖かった


父さんと母さんを呼ぼうとしたけど声が出なくて


そしたら

布団の中に何かいて体に触れるんだけど

毛みたいな感触


お腹の上を歩いてくる


暗くて見えなかったけど

ミカンだと思う


猫の威嚇の時の鳴き声で


「ウゥゥゥゥ」


って唸りだした


謎のおじさんはそのまま姿を消して

体が動くようになった


朝に確認したんだけど

パジャマのお腹の部分に泥まみれの足跡みたいなのと

布団に幾つか毛が落ちてた


それ見ただけで泣いてた


助けてくれたことの感謝と

最後に会ってやれなかったことの悲しさで