金縛りで死ぬほど怖かった話


土曜に大学のレポートを完成させるために

遅くまで起きてたんだよ


完成したのが4時少し前くらい


それでもう限界とか思って

ベッドにダイブして寝た


締切は月曜だったから、

そんなに頑張らなくてもよかったんだけど

なんかいやに筆が乗ってきたんで

時間を忘れてやってた


多分深夜テンションも入ってたと思う


次の日はどうせ休みだし、

バイトも入ってないから目覚ましをかけずに寝た


翌日、ドンドンと激しくドアを叩く音で起きた


時々チャイムが連打され、

またドアを叩かれる


「いるのはわかってるのよ!出てきなさい!」


ややくぐもっていたが聞こえるのは彼女の声


起きようと思ったけど、まさかの金縛り


ぴくりとも動かないまま

ただ叩かれる音と彼女の声を聞いてた


アイマスクをつけて寝る癖があるので、

ただ暗闇で彼女のかな切り声を聞くという恐怖


「車あるからいるのはわかってんのよ!」


「どうせ可愛い女の子でも連れ込んでしょ!」


「もういい!あんたとその女を殺して私も死ぬ!」


どんどんエスカレートする言葉に戦々恐々としてると、

やがて騒ぎに駆け付けたのか

なだめるような大家のおっさんの声


「もしかしたら出かけてるだけかもしれないよ」


「違うもん!絶対○○はいる!私にはわかるの!」


頑張れおっさんとか思いながら

ベッドで金縛りにあい続けていた


「じゃあ、開けるからそれでいいね」


ちょ、おっさんセキュリティ適当だなとか思った


やがてカチャリと玄関の開く音がした


そしてバタバタと一直線に部屋にかけてくる足音


ガラガラとガラスの引き戸が開いた


「ほら、やっぱいた」


にやりと笑うように呟いた彼女の声が

凄く怖かった


そのあと、追いついたおっさんが

寝てるからそっとしとこうとか言ったけど

彼女は金縛りで動かない俺をさんざん揺り動かしたり

隠れてるなら出てきなさいとか言って

あちらこちらを物色してからようやく部屋を出ていった


金縛りが解けて部屋を見回すと

まるで泥棒に入られたようなありさまになっていた


大家に愛想が尽きたっていうか呆れたので

今は引っ越しを考えている


彼女との付き合いは・・・ちょっと考え中


普段は明るくて一緒にいて楽しいんだけど、

あんな一面があるってのはちょっと嫌かな


でも、浮気をしなければ大丈夫じゃねとも思ってる


とりあえず結婚は無理とだけは決めた