ちょっと俺の体験談も聞いてくれ。


雨の降った深夜に友達のマンションに遊びに行ったときの話だ。


友達のマンションはかなり立地が微妙

(三方を高い別のマンションに囲まれてる)でさ、


昼でもかなり暗いんだけど、

夜に雨なんか降ると、

階段とか外に向き出しだから

もう真っ暗で滑るって感じで照明ついてても登れないわけ。


怪我人かなり出てるらしいから危ないし、

エレベーターに乗ろうとしてさ、


当然エレベーターも暗いんだけど、

ちょうど1階にエレベーターが停まってる事は、

ランプ見てわかったわけ。


「待たなくてラッキー」


とか思いながら、

8階の友達の部屋に行こうと上ボタン押したらさ、

中に人が乗ってんのよ。


小柄な女が一人で。


エレベーターがちょうど1階に降りて来てたわけじゃないし、

地階があるわけでもないからさ、

中で何やってたんだこの人、

って感じでかなり驚いたね。


一応俺が、


「何階ですか?」


って聞いたら、か細い声で


「4階です」


って言うわけよ。


俺は言われた通り4階と8階押してさ、

エレベーターが上に行き出したわけね。


俺は階を選択するボタンのとこに立ってて、

女の人は俺の背後の対角線上の一番遠いとこにいたんだが、

肝心の4階についたらさ、女が降りないわけ。


おっかしいな、

って開くボタン押しながら

降りるの待っててもいっこうに降りないから、

振り向いて見たら誰もいないのよ。


そしたらさ、誰もいなくなった筈なのに

声ってか息が聞こえるわけ。


俺の直ぐ背後から。


耳に息がかかるんだよ。


ハァハァ言ってる女の声がさ。


そう耳元で聞こえるんだが、

俺の背後って階選ぶボタンしかないのよ。


つーか人が入れるような幅取って

ボタンのとこにいなかったからな。


扉がしまって8階に向かってエレベーターが上昇しだしても、

ずーっと耳元から首筋にかけてハァハァ息がかかるから、

俺は絶対に振り返らないようにして、

エレベーターがついた途端目閉じて友達んとこに駆け込んだね。


廊下コケてかなり怪我したけど。


俺が真っ青になってるのを見て

友達がかなり心配したが、

俺がもっと恐かったのが耳から首筋にかけて、

紫色に皮膚が変色(病院いったら打ち身って言われた)してたことだ。


こけたけど怪我したのは膝すりむいただけなのに、

どうして首の後ろ打ち身になるのかわからなかった。


あれ以来俺も俺の話聞いた友達も、

二度とそこのエレベーター使わなくなった。


ただ友達の部屋が8階なんで、

時々だるくて心がくじけそうになるのが問題なんだがな。