当時私は中学2年生で親からは


「勉強しなさい!」


とか


「○○ちゃんとはもう遊ぶな」


など鬱になりそうな事ばかりが続いていました。


そのノイローゼからか体調を崩してしまい、

親が申し込んでくれた塾の夏期講習も行けず

田舎の叔母さんの家に数日だけ預かってもらう事になったんです。


その叔母さんの家は築何十年?か何百年?かは忘れましたが

かなり古く、日が落ちた頃に到着した私には


「古臭くて怖いな・・」


と言うイメージが強かったです。


それでも勉強や日常から嫌気がさしていた私にとって

この数日は楽しい気分転換になるはずでした。


元々体は丈夫だった私は

早速次の日のお昼から色々見て回る事にしました。


その叔母の家の裏手には大きな林があって

昼間でも薄暗くジメジメとした雰囲気でした。


流石にその林には入る気にはならず、

近所の田んぼや畑。


駄菓子屋などぶらぶらして

疲れたら叔母の家の居間でゴロゴロ。


すごく楽しくてこのままずっと居たいなぁと思っていました。


私の叔母は凄く物静かな人で

叔父と離婚して以来一人で広いこの一軒家に住んでいたようで

私が来た事を物凄く喜んでくれました。


叔母は私の事を知ってたんですが

私は覚えてなかったのですが・・・。


私は久々に勉強から開放された開放感と嬉しさで

夕食の時一人でずっと喋っていたと思います。


私はふと聞きました。


「裏の林は叔母さんの土地なんですか?」


すると叔母は一瞬黙りましたが


「そうよー。でも長い事人の手が入って無いから入っちゃだめよ?」


と少し笑顔で答えました。


そんなこんなで滞在もあと一日と言う時に

私の忘れられない事がおきました。


私の泊まっていた部屋は林側に面していて

いろいろ野生動物の声が聞こえていたのですが、

その夜私は物凄く気になる音を聞いたのです。


「ぐちゃ・・・ぬちゃ・・・ぐちゃ・・」


なんだかぬかるみを歩くような、

ハンバーグを作るときのような音でした。


その音が徐々に大きくなるのです。


私の泊まっていた部屋は窓が無かったので

外の様子は中からは分かりません。


時計を見るともう12時。


叔母は10時には寝る人だったので叔母ではないし

裏の林は叔母の土地、他人が入るわけはない。


それから5分~15分くらいその音は鳴っていました。


次の朝やけに早く目が覚めた私は

昨日の音はなんだったのか物凄く気になり

目覚ましついでに裏の林に行って見ることにしました。


東側のフェンスを開け家の裏手に入る。


中は一層と薄暗くジメジメしてて

朝というより夕方って感じでした。


そして私の泊まってた2階の部屋の外壁付近を見ると

何かが付いていたのです。


赤黒い、ぐちゃっとした。


遠くからでも生臭い匂いの物が。


私は気持ち悪くなり林を出ようとした瞬間

視線を感じ振り向きました。


そこには妙に頭がでかく赤い顔をした

猿のような生き物がいたんです。


そしてこっちを睨んでいました。


今にもこっちへ来そうな顔で。


私は慌てて走って逃げました。


あまり寝てなく頭もボーっとした状態だったから

見間違いかもしれません。


でも確かに私は見ました。


私は叔母にこの話をしました。


叔母は何も教えてくれませんでした。


ただ黙って


「見間違いだから忘れなさい」


とだけ。


私の母に聞いてもそんな物は見たことが無い、

見間違い、そう言われました。


でも今でもあのグチャ・・・グチュ・・・という音が

時々聞こえる気がして怖いです。


誰か似たような物を見た人、いらっしゃいませんか?


あれがなんだったのか答えが欲しいです。


怯えるのは辛いです