私が小学校低学年の時の話なんだけど、

今でもよく覚えてる。


共働きだったりする親が、

学校から帰った小学生を預ける・・・

って感じの「学童保育」ってものがあった。


私は1年間しか通わなかったんだけど、

今でもまだやってるみたい。


その学童保育は土日以外なら

夏休みでも冬休みでもやってた。


で、8月の夏休み中、

私は学童保育に通ってた。


福祉センターと一体化してる学童保育には

図書室やら何やら色々あって

毎日行っても飽きなかった。


その日はとても暑かった。


私とAとBとC、計3人で、

室内で遊んでいて、

かくれんぼをしようってことになった。


鬼はじゃんけんで負けたAということになり、

皆散って行った。


福祉センターは三階まであり、

そのうち一回の半分が学童保育。


私達はそんなことは構わないで3階にまで隠れた。


私はあまり遠くまで行くと大変だと思い、

スタート地点と同じく1階にある図書室に隠れた。


丁度椅子と机の影になる狭い場所で、

丁度読みたかった漫画を読んでいた。


漫画を一冊読み終わる頃になっても、

Aの声も姿もない。


上の方を探しているのかな、

と思い二冊目を読みはじめたその時

Aが後ろに立っていた。


私:「あーあ。見つかっちゃったか。」

A:「・・・・・」


私:「どうしたの?」

A:「○○(私の名前)、ちょっと来て・・・」


私は不思議に思いながらも、

Aに着いていくことにした。


行った先は3階だった。


階段を上ったすぐ前に

一つ物置のような部屋がある。


非常通路がある為、

外から3つの面が見える。


そのうち、2つは

大きなガラスがはめ込んである。


中が丸見えなのだ。


Aは私をその部屋のドアの方へ連れて行った。


中に入るドアの方からは

角のせいで階段も非常通路も見えない。


私:「この中に誰か隠れてんの?」


Aの顔を見ると

何か怖いものを見たような顔だった


A:「このドア・・・ノックすると返ってくんの・・・」

私:「え?w」


私は普段のAの性格から、

どうせ騙そうとしてるんだろうと思った。


で、面白半分にノックしてみることにした。


『コンコン』

『・・・コンコン』


どうせ誰か隠れているんだろうと私は思ったけれど

Aは私の肩に手を置き

今にも逃げ出しそうな顔をしている。


一旦、Aと一緒にガラス窓から中を除いてみたが、

ドアの周りに人影は無いようだ。


A:「ねぇ・・・?一旦戻ろうよ。一階に・・・。」

私:「ちょっと待って。」


もう一度ドアの前へ行った。


私は、部屋の中へ入ってみようと思ったのだ。


怖かった。


ガラス窓を覗いて人気が無いのを見て

私も段々怖くなってきていたのだ。


・・・・ゴク


息を飲む音が妙に響いた。


ドアノブに手をかけた。


その時――背後から声をかけられた。


「うあっ!!」


私とAは驚いて声を上げた。


声をかけたのは掃除のおばさんだった。


「ちょっと、あんた達学童保育の子だろ?

三階に来ちゃ駄目だ。さっさと戻りな。」


私:「あっ・・・でもこのドア・・・

ノックすると返ってくるんです・・・」


「?ここはただの物置だよ。」


そう言うとおばさんは急にドアを開けた。


ガチャ


――中には特に何も無い。


「ほら、さっさと行きな。馬鹿らしい。」


そういい残しておばさんは階段を下りていった。


私はおばさんの馬鹿にしたような言い方に腹が立った。


私:「何なのアレ。」


ドン、と私はドアを蹴った。


すると


『アハハハハ』


と笑い声が返ってきた。


これには私もAもかなりビビって

ダッシュで階段を駆け下りた。


1階まで来ると、

丁度トイレに隠れていたBとCが出てきた。


ということは、

あの部屋にBもCもいなかったのだ。


私とAは凍りついた。


後に聞いたのだが、

あの福祉センターは私が通っていた小学校の跡地だったのだ。


昔火事で焼けてしまい、

今の場所に立てられたそうだ。