私には3歳上の兄がいる。


両親と兄と私、

そして祖母の5人家族。


兄は俗に言う霊感のあるタイプで、

死んだ祖父も同じだったらしい。


私は幼少時かなりのチキンだったので、

怖い話はタブー。


それを知ってか、

兄は私の前で怖い話をすることはほとんどなかった。


数年ののち、

私も兄も進学とともに家をでるようになる。


しかし一人暮らしをするようになっても兄弟仲は変わらず、

そのころには、私自身も多少のことではビビらなくなった(と思う)。


たまに遊びに来た兄と話しながら、

怖い話を聞く事もあった。


ある日、酔った兄が口を滑らせてこんな話をした。


私が幼かった頃、

兄と私は襖隔てた部屋で寝ていた(私は母と寝ていた)。


兄は当時口にしなかったが、

やはり時折感じることがあったという。


夜、就寝についてしばらくすると、

金縛りのようなものに会う。


その状態では、

いやに聴覚が研ぎ澄まされた状態になり

色々な声が聞こえてくる。


ある日、その状態に陥った兄の耳に

家の玄関が激しく開かれ聞こえた。


すると玄関から凄まじい音を立てながら

誰かが階段を駆け上がってきて、

部屋のまえで立ち止まった。


すると襖を2度叩くような音がして、一言。


「今日も寝てるの?明日も来るね」


私、もう実家に帰れないかも・・・。