一つ自分なりに聞いた不思議な実話を一つ。


会社の元同僚の工房時代に、そいつの友達Aが海で溺死した。


その状況が異様だったらしい。


防波堤の上で違う友達Bがぼーっとしていて、

下を見るとAが水の中で動かなくなっていたそうだ。


何故彼は助けなかったか・・?


彼が言うにはその直前、Aが先に海に入った。


Aの足ヒレが防波堤の上にあって、

彼は海に入ってから、防波堤の上のBに


「それを投げてくれ。」


と頼んだ。


Aは大丈夫か?とBが思った瞬間、

Aが水の中で振り向いたそうだ。


そのときのAの目が、異様だった。


見開くようなすごい形相だったらしい。


恐怖と訴えかけるようなものすごい視線だったのが解ったそうだ。


Bが呆然としているところに駆けつけたのが、自分の会社の元同僚。


Bに言わせれば訳が分からなくなり動けなくなったと言う。


BはそれをAの近くにポーンと投げた。


ところが、それがどういう訳か不自然に遠いところに飛んだらしい。


Aはそれ取れなくて足ヒレが海に沈んで行く。


Aは舌打ちして潜ってそれを追いかけたそうだ。


Aはどんどん潜って行く。


このときの状況をBは


「誰かに引かれている。」


と感じたそうだ。



不思議なのはこの後日談。


その後Bは夢の中でAが


「気にすんな。」


と話す夢を何度か見たらしい。


明らかに何かに引かれて彼は死んだのに・・?


Bのせいでは無いけれども、

だからと言って気にするな、という話でも無い。


話を聞く限り、

どう考えても実話のニュアンスがあっただけに今でも

不思議に思う話。