小4の夏休みの話


おれには3つ上の姉がいて、

当時中1だった姉は

朝から演劇部の練習に行っていた。


おれはと言えば

何も予定がなくただダラダラと過ごしてた。


両親は共働きで、

母が作ってくれた簡単な昼食をテレビを見ながら食べて、

それも片付けずリビングのソファで昼寝をはじめた。


いくらか時間が経ち、

人の気配で目を覚ましたおれ。


目を開けると

テーブルを挟んだところに

女の人が立ってるのが見えた。


ゲームのやり過ぎで

近眼(寝てたから眼鏡は外してた)+眠気眼で

ハッキリとは見えなかったが、

確かに女の人だった。


「姉ちゃん、帰ったの?」


と言うと、

その人はこっちを向いて、

近付いて来て頭を撫でてくれた。


お姉ちゃん子だったおれは

安心してまた眠りについた。


結局ちゃんと起きたのは3時過ぎで、

かなり本気で寝ていたおれ。


使った食器を片付けようとしたら

お茶碗を残し

全部流しのところに置かれていた。


姉ちゃんが片付けたのかなと思い

家の中を探すがいない。


外に行ったのかなと思い靴を見に行ったら、

靴はなく、しかも鍵が空いていた。


口うるさい親に育てられた俺と姉。


鍵を締めるのはもはや習慣化されてたから

珍しいなと思って締めた。


結局姉が帰ったのは5時前くらい。


閉め忘れてたよと言ったが、

私は帰ってないの一点張り。


たしかに、帰ってきた姉の姿は

体操着に中学の肩掛け鞄という格好。


一度帰ってまた遊びに行ったとは考えられなかった。


なによりもっと重大なことに気付いた。


例の女の人、

白い服に肩くらいある髪をしていたから

女の人だ!と判断したが、

姉は暑いからと

数日前にショートくらいに髪を切ってたんだ。


こうやって書くとあまり怖くないが

当時はものすごい怖かった。


お茶碗以外が動いてたから人間だったのかもしれないが、

人の家に入って中途半端に食器片付けて出て行く(荒らされた形跡は皆無だった)とか、

それなら幽霊の仕業にしといた方が救われる。