うちの親が親戚から、

もう乗らなくなったからいらない、

と不要になった中古車をもらってきた


年式はそれほど経っていないけれど、

ネズミ色のさえない車だった


でもうちにはそれまで仕事用のバンしかなかったので、

普通の乗用車がきたことがうれしかった


うちに車がきて、

初めて父親が車に乗って試運転に出かけた


すると五分後ぐらいに電話がかかってきて

「車をぶつけられた」という


交差点で右折待ちをしていたら

後ろの車にコツンとあてられたそうだ


バンパーがちょっと凹んだだけなので、

これはすぐに直った


修理から戻ってきて1週間ぐらいしたあと、

両親が乗って買い物に出たときに

信号待ちで停車中に後ろから軽く追突された。


これはバンパーが壊れてしまったため

バンパー交換


次は母親がスーパーに行ったときに

駐車場で停車中


運転席側のドアにゴンとぶつけられ、

凹みができて右ドア交換


その修理から戻ってきてひと月経たずに、

今度は右折待ちの停車中に

前から来た車に左前ドアあたりに突っ込まれてドア破損


割れたガラスで父親が軽く腕を怪我をした


ドアとフェンダー修理から戻ってきた翌日


父親が取引先に向かう途中、

信号待ちで停車中に

右折してきた大型トレーラーがどういうわけか内輪差を間違え

車の前を引っ掛けて停車した、ヘッドライトやらなにやら破損


もうここまでくると、

全てもらい事故の上に、

余りに数が多いので家族全員が不気味に感じ

家族会議になった


その場でわたしが

この車がなぜ不要になったのか父親に聞くと


「元の所有者の親戚が、

この車に乗って出先で事故にあった

この車を店の向かいにある駐車場に置いて

道路を渡って店に入ろうとした時に、

走ってきた車にはねられて

意識不明の重態になった」


と言う


幸い命は取り留めたけれど後遺症が残る程で、

もう車の運転はできなくなったから不要になったのだと。


母親が


「なにかの身代わり車なのかねえ」


とポツリとつぶやいた


縁起を担いだり

迷信的なことを信じるほうではないのだけれど

確率的に低い事故がこれだけ連続してしまうとこのまま乗る気になれず

中古車屋に売り払うことにした


あの車と縁を切ってから何年も経つけれど、

車をぶつけられたことは一度もない