私はよく金縛りにあうので、部屋に盛り塩をしているが、

気づけば塩が皿から散らばっていることもよくあった。


何日か前、

それに気づかずに布団にはいった。


すごく静かな夜で、外から車の音もしなく、

家の中からも何の音もしない。


ふと嫌な予感が走った。


その時にはもう体は動かなく、

私の上には何かが乗っていた。


腹の中心部で何かが上下に動いている。


見たこともない爺さんだ。


体は小さめでガリガリに細く、

体には合っていない大きい服を着ていた。


顔は暗くなっていてよく見えないが、

頭の形は大きく飯櫃(いびつ)だ。


腹の中心あたりで動いているので、

だんだん息苦しくなってきた。


そこでふっと金縛りから解放された。


息は荒く汗もかいていた。


何か音が欲しいと思い、

コンポのリモコンに手を伸ばそうをした瞬間、

目眩のような感覚に襲われた。


起き上がる力もなく、

横になったままの状態になった。


同じものが私の体に乗っていた。


何度も何度も繰り返し私の上で動く。


もうこの状況には諦めるしかなくなっていた。


そのまま目を閉じると、目は開いていて、

私はリモコンを手に取り、

上半身を起こしている状態だった。


そのまま歌を大きめにかけ、眠った。


次の朝、布団の感じが

ザラザラしていることに気がついた。


盛っていた塩を見てみると、塩は散らばっていて、

布団の中をもう1度、

見ると盛り塩らしきものが光っていた。