夜中に女の子の笑い声が聞こえてきた。


耳元・・・と言うほど近くなかったが、

なんとなく耳につく。


一体なんなんだ?

と思いつつ気になっていると、

だんだん声が大きくなってきた。


そのうち耳元で

大きな声で笑い声が聞こえ始める。


字に書いたような


「きゃははは~~きゃははははは~~!」


という感じだった。


すると、寝ているベッドの周りを走り回る気配。


女の子だ。


ベッドの頭側と左側は壁なので

生身の人間とは思えなかった。


こえぇ~~~~と思っていると、

女の子は不意に立ち止まり、


「よかったね~~、よかったねぇ~~」


と言い出す。


いい加減怖いのとイラつくので


「何がよかったんだよバカッ!」


と心の中で叫ぶと、

無言になり私の首に右側から倒れこんできた。


そのまま首を圧迫される。


苦しい!怖い!


と、もがき、必死でお経を唱えた。


すると、息苦しさは消えたものの、

笑い声が耳に残る。


何とか助かった・・・声も遠のいている。


とは思ったものの、

なんとなく遠のいていく声が気になり、

耳を澄ますと、

笑い声がカムバックしてくる。


おお!これはいけない!帰ってくる!


と気付き、必死でほかの事を考えていると、

いつの間にか眠りについていた。


生まれて初めて命の危険を感じた体験だった。