姉から聞いた話。
 

その昔、姉は自分と彼氏、そして友達カップルと4人で

夜中ドライブに行ったそうだ。
 

その友達カップルの彼氏というのはちょっと霊感の強い人で、

よく霊を見ては涙を流すことがあったそうだ。
 

彼にとってはもう見慣れてるから、怖いとかそういうんじゃなくて、

なんか意味もなく涙が出てしまうらしい。
 

で、ドライブ中に、その彼がツーと涙を流し始めた。

みんな、彼の霊感のことは知っているので、

「ああ、また見たんだな・・・」とだけ思っていた。


だが、どうもいつもと様子が違う。
 

彼は急に、「車を止めてくれ」と言ってきたのだ。
 

「どうしたんだよ?」と聞いても、とにかく止めてくれの

一点張りで理由を説明しようとしない。
 

仕方ないので、路肩に車を寄せて停車し、彼に

「これでいいのか?」と聞いた。
 

すると彼は、「これから俺が何を言っても、おまえら

逃げないでくれるか?」と涙を流しながら言うのだ。


もちろん、友達同士の仲であるし、彼の様子を見ると、

「逃げる」なんて言えるわけもない。
 

「大丈夫だ」「逃げないよ」と口々に言った。
 

すると彼は、じゃあ言うけど・・・と前置きをして、


俺 今 足首つかまれてるんだ


と言った。
 

いっせいに彼の足元を見ると、車の床の下から白い手が出て、

彼の両足首をしっかりと握り締めている。
 

それを見た姉たちは、逃げないと言ったことも忘れ、

恐怖のあまり全員叫び声をあげながら車を降りて逃げ出した。


そして車からしばらく離れたところまで走り、
彼が降りてくるのを待ったが、いつまでたっても降りてくる様子がない。
 

彼のことも心配だったし、車なしで帰るわけにもいかない。
 

おそるおそる全員で車に戻ってみると、降りた姿も見ていないのに、

彼の姿はなくなっていたそうだ。
 

その事件からはや10数年経つが、いまだ行方不明中である。