俺の母の実家はいわくつきの立地条件に建っている。

道路一本挟んで前が大きい寺、そして、後ろが神社という、いわゆる霊道の上に建っているのだ。

そんな家に住んでいた母は、空気を感じる程度の霊感しかないが、その家内で何度と無く霊体験をしている。

まず初めに、母が小学生の頃の話だ。

学校が終わり、家に帰った母はなんだか妙に疲れていた。

家の八畳間では母親(俺の祖母)がアイロンをかけていて、その母親に「ただいま」と言うなり、

母はランドセルを放り出して畳の上に寝転んでしまった。

もう眠くてたまらなかったのだという。

「寝るなら宿題してからにしなさい」という母親に対して、母は「後でやるから」と言って眠りにつこうとた。

だがその瞬間、何の前触れもなく突然、ビシッと頬に強い衝撃が走りました。

まるで頬を平手で張られたような痛みに、母は飛び起き「ぶつことないでしょう」

とアイロンをかけたいた母親に抗議をした。

だが、母親と、自分が寝ていた場所を考えると、

叩かれて飛び起きるまでのほんの一瞬の間に戻れるような距離ではない。

もし急いでアイロンの場所まで戻ったとしても、そんなに急ぐ必要などないし、バタバタしたならわかるはずだった。

母の抗議に対し、もちろん母親は「叩いてなんかないよ」と答えたという。

怖い、というよりは不思議な経験だったと母は話している。