専門学校の同級生で、最近良く話すようになった隣のクラスの男子、田村君の体験談だ。

田村君はいわゆる見える人。

家の中で昔から色々なものを見て来たという。

亡くなったはずの父親がたびたび食卓に座っていたり、

今彼が家で飼っている飼い犬に混じって、昔飼っていた犬が時折一緒にいるのを見るという。

知らない人間の霊が家の中を歩き回っているなどというのは日常茶飯事ということで、もう驚きもないという。

そんな彼が最近驚愕したエピソードを紹介しようと思う。

田村君が夜寝ていた時の事、車の排気音で目が覚めたという。

彼の自宅は住宅街にある為、大きな道に面しているわけでもない。

近所でこれほどの音を出す車を見た事もなかった。

いったいどこのアホがこんな夜中に騒音を出しているのか?

田村君が起き上がろうとしたその瞬間、

部屋の中を爆音がぶち抜いて行った。

本当に一瞬だったが、田村君の部屋の壁から壁に向かって、一台の車が走り抜けて行ったのが見えた。

やがて排気音は遠ざかり、あたりに静寂が戻った。

それを霊と呼んでいいのか?

田村君も疑問に思っているという。