今から30年以上も前の話。

小生の親戚宅でのこと。

そこの家は農家で、かなり大規模な畑があった。

家族構成は父母、その子供3人、そして同居の祖母の計6人。

小生はサラリーマン家庭だったので、夏休みな

どはそこの家に遊びにいくのがとても楽しみだった。

ある夏休み、従兄弟から聞いた話。

いわゆる「怖い話」としてはそれほど怖いレベルではないがかなりのリアリティはあると思う。

ある日の夜、夕食も終り家族みんなでテレビを観ていた。

「プー!」

外からクラクションの音が聞こえた。

誰か来たのかな?

従兄弟が表に出た。

しかし誰もいない。

そこには自分の家で使っているライトバンが停

まってるだけだった。

「誰か来たのか?」

父親も出てきた。

二人は顔を見合わせ「空耳か」と引き返そうとしたとき、

「プー!」

またクラクションの音が。

その音は目の前のライトバンからだった。

故障?

そう思う間もなく、今度は激しく

「プー!プップップー!」

何度も鳴る。

その音に家族みんなが出てきたとき、さらに信じられないことが・・・

バタン!バタン!

4枚のドアは何度も激しく開閉しヘッドライトはパッシングのように点滅し始めた。

もちろんクラクションは不規則に鳴り続けている。

家族全員、たた唖然としながらその後継を見守るしかなかった。

「幽霊だ!」

従兄弟が叫んだ。

「馬鹿言うな!」

ばあちゃんが怒鳴る。

しばらくすると事態は収まり、家に戻ろうとし

たとき電話が鳴った。

受話器を置いた母親が言った。

「○○(親戚)トコの婆さん亡くなったって」

きっと死ぬ前にみんなの家に来ていたのでは?

でももうちょっと穏やかにしてもらいたいものですが・・・・。