隣のおばさんとおじさんは一緒にラーメン屋をやっていて、朝から晩まで二人で働いていました。

そこには一人っ子の娘さんがいて、いつも一人で遊んでいたそうです。

おばさんはおもちゃや人形などを与えては寂しくないようにと気を遣っていたそうです。

そんな娘さんも大人になってから結婚して家を出ました。

やがて娘さんが出産をすることになって、おばさんは娘さんの所に行ったのでした。

病院で午前中に生まれる予定でしたが、ちょっと長引いて午後になってしまったそうです。

朝は晴天だったのが昼から急に黒い雲が出て雷と大雨になってしまったとおばさんは言っていました。

そんな嵐のような時に娘さんは出産をしたそうです。

もちろん病院でのことなので悪天候でも出産になんの問題も無かったですが、生まれた赤ちゃんに障害があったそうです。

生まれたあかちゃんの耳が無ったのでした。

おばさんは、出産時に待合室で雷鳴の中にくぐもってはいても、はっきりと声を聞いたそうです。

『かえしてもらった・・・』と。

おばさんは出産後に娘さんに、この声の事をいうと、娘さんが話してくれたそうです。

子供の頃に寂しかった娘さんは、『芳一ごっこ』と言っては与えられた人形の耳をちぎっていたとのことでした。

耳をちぎられた人形が、娘さんの赤ちゃんから耳を取り返したのでしょうか。