男女四人が心霊スポットで肝試しをしていた。

スポット内をうろうろ探索していたその時、四人のうちの一人の女性Aさんが「あっちに何か感じる」と言いだしました。

そのAさんは霊感が強いそうです。

そして、その指差す方へ行くと小学校がありました。

校内に幽霊でも出るのかと思い向かっているとAさんが「そっちじゃない、こっち」。

それは学校の前にある歩道橋でした。

みんなは大した恐怖を感じることもなく、その歩道橋の階段を登り反対側へ降りようとしたその時。

登ってきた階段の方から「コツン・コツン…」と誰かが登ってくる足音が聞こえてきたのです。

幽霊だと思いさすがにみんな恐くなって急いでその場から逃げました。

Aさんが心霊スポットより何かを感じた場所なだけに気になり、後日また学校を訪れることにしたのです。

夕方、児童も帰り静かになった学校で校長先生に直接聞きに行きした。

「あの、学校の前の歩道橋、何かありました?」

すると、校長は語りだしました。

「二年ほど前、学芸会をひかえ当時、

小学三年生の女の子が演劇で女王の役に抜擢され、休憩時間・昼休み・帰り道ずっとセリフをおぼえてました。

熱心な子でした。で、それは帰り道で起こりました。学校の前の歩道橋、二年前はなかったんです。」

確かに、Aさんたちが今日昼間にここへ来た時、歩道橋のかかってる道の交通量の少なさに違和感をおぼえたそうです。

なぜほとんど車の通らない道に歩道橋が?と。

「セリフをおぼえるのに夢中なうえ、ほとんど車が通らないというのがあって

周りを確認せずに道を渡っていると不幸なことに車にひかれそのまま亡くなりました。

その事故があってから歩道橋がつくられました。

ところで、歩道橋の階段脇の看板見ましたか?」

Aさんたちは気付きませんでした。

Aさんたちは聞きました。

「看板に何かあるのですか?」

すると校長は「何回塗り直してもすぐ消えるんだよ。

もともとは〈この歩道橋は安全のためにつくられました〉と書いてあったんだか、

知らないうちに『安全』のかんむりの部分が消されるんだよ!