この間友人と2対2で合コンした時の話。

相手は友人のツテで誘った他の大学の女の子達。

開始から2時間もすると何故か話題は怖い話になっていた。

そういうのが嫌いじゃない俺は知っている話で場を盛り上げた。

するとA子ちゃんが、こういう話をしだした。

「私の家に、座敷ワラシがいるんです」

その子が言うには、その座敷ワラシは幼い頃から家の柱の影に立っていて、

両親や兄にそのことを話しても「?」という顔をするばかりだという。

その子にしか見えない座敷ワラシはいつもその柱の影からその子の家族を

なんともいえない顔で見つめ続けているという。

父が昇進したのも、私や兄が大学に受かったのもその子のおかげかな、と思っている

という感想をつけてその子は話を終えた。

それに応じて友人も知っている座敷ワラシの話をしだした。

友人の友人、B君が幼い頃住んでいた家にも座敷ワラシがいて、いつもニコニコしながら

B君を含む家族を見守っていたという。それでその後引っ越したかなんだかでその座敷ワラシと

疎遠になったB君は大学生になった時、ふと昔住んでいた家にその座敷ワラシを見にいった。

するとその子は昔と変わらない幼子の姿でそこに住んでいる家族にやさしく微笑みかけていた、という話。

ちょっとジ~ンとくる話だなと思ってA子ちゃんをみると何故か腑に落ちない顔をしている。

「どうしたの?」

「座敷ワラシって、成長しないんですか?」

「だって、いわゆる妖怪だし、成長しちゃったらワラシじゃねえじゃんw」

「…」