僕は収集家だ。だけど変わった物を集めている。

宝石箱。小物入れ。裁縫箱。

そう僕は、箱を集めているのだ。

人に話すと変わった趣味と言われるが、

僕からしたら人形や絵を集めてる人の方が変わってる。

そして世界は広いもので僕と同じ考えの人と偶然出会って、

今日、僕はコレクションを見せてもらいに彼の家に行くことにした。

なんでも彼は、『悪魔の箱』という人食い箱を持ってると言うのだ。

僕は半信半疑で、でも、同時に期待もしながら彼の家に足を向けた。

玄関の扉をノックすると彼は出てきた。

しばらく玄関で談笑をしていると彼は、

「いや中々に大変だよ?何しろ餌が人間だからね」と

笑いながら『悪魔の箱』にちなんだ冗談を言ってくれた。

「レディーファーストだよ」とさらに冗談を重ねて、

僕を部屋に入れたあと玄関の扉を閉めた。

「・・・ふぅ」

扉ごしに彼のため息が聞こえた。