現在、某テレビ局のニュース番組の画像などを制作している、東京在住の栗田さんから聞いた話だ。

栗田さんの先輩の三木本さんは八王子の在住で、ある日、

仲間と飲んでいるうちにどこかへ肝試しに行こうという事になったそうだ。

八王子と言えば八王子城跡にしかり、様々な心霊スポットが混在する心霊地帯だ。

当初の話では、やはり八王子城跡に行こうという話しだったのだが、

三木本さんは見えないにせよ、敏感にそういったものの存在を感じやすいヒトだった。

三木本さんが反対した結果、八王子にある水子寺に肝試しの場所を変更した。

長い階段が特徴的だというその水子寺に着いたのは、既に日が変わった頃だったという。

階段下に車を停車した時、三木本さんは突然体調不良に襲われた。

心霊スポットに立ち入ると、その気配だけで良く体調を崩してしまうのだそうだ。

仲間も三木本さんを心配し、三木本さんを車に残し、他の仲間達だけで寺に向かう事にした。

車中で仲間達が階段を上っていくのを見送ると、三木本さんは一人車で横になった。

本当はすぐにでもこの場を離れたいが、これも人付き合いと思い、

三木本さんは漠然とした気持ち悪さを抑えながら仲間の帰りを待っていた。

どれほど時間が経っただろうか、三木本さんは車がわずかに揺れている事に気がついた。

地震かもしれない、そう思って体を起こしかけた瞬間、凄まじい横揺れが三木本さんを襲った。

半端な揺れではない、この車の激しい横揺れなら大地震だ。

体調が悪くてロクに動けない三木本さんは、このまま死んでしまうかもしれないと思い、絶叫したという。

すると、不自然な程突然に揺れが止み、今度は車の外から良く知った仲間の叫び声があがった。

何事かと車の外の様子を見ると、寺の階段下まで降りてきていた仲間達がそこで固まっているではないか。

三木本さんは少しでも早く安心したくて、辛い体に鞭打って車から出ると、仲間達の元に走り寄った。

「さっき凄い地震だったよね、大丈夫だった?」

だが、仲間達は顔を見合わせて地震なんかなかったという。

「言いにくいんだけど・・・」

仲間の一人が言葉をつまらせながら、『今、目の前で見た事』を話してくれた。

結局境内まで行った仲間達は期待していたものには遭遇できず、諦めて引き返して来たのだが・・・

階段を降り切ったところで見てしまった。

彼らの目の前で、乗ってきた車がグラグラと揺れていた。

その左右には、無数の裸の赤ん坊が車に捕まり立ちし、激しく揺さぶっていたのだ。

仲間の一人が驚いて叫び声をあげると、赤ん坊達は忽然と姿を消したそうだ。

その場に居合わせた全員にはもちろん堕胎暦はない。

その後、不安を抱きながらも赤ん坊の揺さぶった車で帰ったわけだが、一切霊障はなかったという。