友人のAは以前、高速降り口近くのマンションに住んでいました。

Aとは小学校の頃から仲が良く、

家へ遊びに行ったり、来たり、

夜中にいたずらに外へ出てみたりと

いわば親友でした。

ですが、私はAの家へ遊びに行く時

1人でAの家のマンションの

エレベータには乗らないようにしていました。

理由は本当にありません。

本能的に乗りたくない。と

思ってしまっていました。

マンションのエントランスから

一度扉を出たところにある

階段を絶対に使っていました。

「エレベータの前怖くない?」と

私は幾度かAに言った事がありました。

でも、彼女は無関心でしたし

自分の家のエレベータが怖い

何かがいる気がする。なんて

自分が言われたら嫌だったので

あまり言わないようにしていました。

ですがある日、彼女が学校へ来た時に

「そういえばまき、私んちのエレベータ怖いって言うてたやろ?」

・・・そう、Aは言いました。

何故そのような事を今更言うのか尋ねると

Aのお母さんの友達がAの家に来た時に

エレベータの前に何かおる。

と言っていたそうなのです。

(その方は霊感があるとかないとか)

「まきと同じような事言うから怖なってん~笑」と

彼女は笑っていましたが

私はかなり複雑でした。

それから数ヶ月後

Aはその日夜遅くに帰宅しました。

もうお母さんに怒られるような時間。

Aは焦って帰っていました。

いつものようにエレベータに。

自分の家の階を押して

エレベータが動く。

階と階の間に差し掛かり

暗くなったエレベータのドアの窓に

自分の顔

と 背後に立つ黒い髪の女がうつっていました。

誰も乗っていなかったはずのエレベータ

その女の目は 白目がなく

真っ黒だったそうです。