15年程前の話になります。

当時、私は高校3年生だったのですが携帯電話などなく、ポケットベル(ポケベル)と呼ばれる物が主流でした。

今のメールの様に決まった数字を打つと文字となり相手に届くシステムです。

携帯電話など無い時代ですから、近所には公衆電話が沢山あって、

そこから良く友達に「今なにしてる?」とかポケベルで連絡を取り合っていました。

夏の時期に友達4~5人でいつものたまり場で怖い話大会をすることになりました。

そのたまり場と言うのが大きな広場みたいなところで階段があり、見渡すと公衆電話が一箇所あるところで、

それ以外には特に目立つ物もない場所でした。

そこにある階段でみんなで話しをしていました。

怖い話が始まり、夜中2時ぐらいになった頃でしょうか

怖い話もネタが無くなり、そろそろ帰ろうかと話してた時に、友人Aが言いました。

「いやー無理でしょ」僕が聞きます。「なんで?」

「今階段に横になって、最高のポジションにはまった。すんげー気持ちいい!」

「なんだよそれ」

「いやーこれマジでベスポジだよ」

言ったか言わないかぐらいのタイミングで友人Aのポケベルが鳴ります。

「ベスポジダネ」

私たちはゾッとして近くの公衆電話をみます声は小さかったけどもしかしたら、

誰かが聞いて居て近くの公衆電話から打った可能性があるのではと思ったからです。

でも、公衆電話には誰も居なくて、周りにも誰も居ませんでした。

携帯電話の時代、今度は声で聞こえるのかと思うと寒気がします。