数年前の話です。その頃、私はとある100円ショップでバイトをしていました。

その帰り道、田んぼ道を自転車で急いでいました。

ふいにお寺の鐘の音が聞こえてきたのです。

時間は夜の10時過ぎです。こんな時間に…?と思い、少し気持ち悪く感じました。

しばらく自転車をこいでいると、今度は後ろに人の気配が…

先刻の鐘の音もあり、後ろの気配に怖さを感じながら、恐る恐る振り替えると…

誰もいませんでした。

鐘の音といい、奇妙な気配といい…気持ち悪っ!

そう思いつつ、家に帰りました。

その日、変な夢を見ました。

どこかの学校(?)の昇降口にいました。

そして少し離れたところに、女性がこちらに背を向けて立っていました。

女性はゆっくりと顔をこちらに向けました。その顔はのっぺらぼうでした…

驚いていると、声が聞こえてきました。

あ~ぁ、みぃちゃった…

そこで目が冷めました。心臓が高鳴り、汗をびっしょりかいていました。

外では、いつの間にか激しい雨が降っていました。

なんだ…夢か。

…雨?帰ってくる時、降ってなくてよかったな…

コト…

ん?誰か階段を上がってきた?

(当時住んでいた部屋はアパートの4F。ドアのすぐ横に階段がありました。)

コトッコトッ…

誰か帰ってきたんだ…ん?なんか、足音子供っぽい…大学生しか住んでないのに?

コトッコトッ…

なぜか足音ははっきり聞こえてきます。雨の音に紛れて…

妙に胸がざわつきます。なんていうんでしょう…とにかく足音が気になり、眠れません。

コトッコトッ…コト

えっ足音止まった?

頭の中に画像が浮かびました。

小さな女の子…エナメルの靴を履いてる。

今、階段の上に立ってる…!!

コトッコトッ…

また聞こえてきます。

コトッコトッコッ…

えっ…部屋の前でとまった…ヤダな、ちょっと気味悪いし。

カチャッ…カチャッ…カチャッ…カチャッ…

ドアノブを動かす音が聞こえてきます。

えっ…ちょっ、ちょっと待って。これ悪戯?なに?

カチャッ…

半泣き状態です。

ヤダヤダ~!もうやめてくれ!!

ふいにドアノブの音が止み…

ギシッ…ギシッ…

!?…えっ?

カーテンで区切った向こうから、床を踏みしめる音が…

誰かいる?でも鍵しめてるし…彼氏は夜勤のはずだし!

カーテンと床の間には30cm弱の隙間があるんですが、そこを見てみると…

何も見えません。なのにカーテンが揺れています。

手で押してるような感じで揺れています。

その瞬間、飛び起きて電気を付けました。

カーテンを再び見ると、もう揺れていません。

ですが、カーテンの向こうには相変わらず気配が…

その後は電気を消すことができず、寝れませんでした…。

次の日になっても気配は消えず…しばらく寝れない夜を過ごしました。