今から20年近く前になるかな?

(オジサンでスマソ)


友達と9月半ばの連休を利用して

西穂に登山兼山岳写真撮影に行った後

下山して泊まった新穂高温泉のある旅館(名前を忘れた)での夜の事。


前日の夜発ちでトライブしてそのまま登山したせいで

疲れきって露天風呂に入り

夕食で熱燗のんだら猛烈な睡魔に襲われて


皆で


「ひょうきん族見よう!」


といっていたにもかかわらず


「クイズダービー」


の途中で全員爆睡。


それからどれくらい経っただろうか、

猛烈な尿意に襲われて目が覚め、トイレに行った。


安旅館なのでトイレは共同。


泊まった部屋は2階。


旅館内は、夜も更けたからか、

消灯していて、明りは非常口の案内板のみ。


用を足して帰り際にふと廊下の窓から外を見たら

盆踊りのようなものが目に入った。


極度の疲労と、まだ酔いが冷めていないせいもあり、


「あ~盆踊りやってる」


と思いつつ部屋に戻り、再び爆睡。


おかしい、と思ったのは、帰りの車の中。


浮かんだ疑問点および見た情景を列記していくと、以下の通り。


・盆踊りならお盆にするはず。なぜ9月半ばなのか?


・提灯も含め、明りが一切無かったのはなぜか?


・いくら廊下の窓が閉まっていたからといって、

音楽らしいものが一切聞こえなかったのかなぜか?


・盆踊りに限らず、祭りは名目上は大抵夜9時には終るはず。

旅館が消灯する時間まで踊っていたのはなぜか?


・見物客も夜店も全く出ていなかったのはなぜか?


・9月半ばとはいえ、穂高は陽が落ちると初冬並に冷え込むのに、

皆揃いの無地の白い浴衣と黒帯で寒くないのか?


・・・


俺が消灯後の旅館の窓から見たものは、

提灯も灯らず、音楽も鳴らない初冬の寒さの暗闇の中に、

白い浴衣と黒帯だけが妙にはっきり見える人の輪が、

ただぐるぐるとゆっくり回り続ける風景だった。


あれは一体なんだったのか?。


未だに分からない。