あれは高1の冬、

新聞配達をしてた頃の話、

知ってると思うけど冬の朝は暗い


4時までには配達所に行き配り始める。


もうすぐ新聞配達を始めて1年もたとうとしてた


ボロアパートの蛍光灯もないところを配るとき、

隣の廃屋に幽霊が窓に張り付いてたら小便もれるな、とか

幼稚園の屋上から子供が覗いてたら家に逃げ帰るわとか思っていたとこも

大分慣れてきたときの話し…


当然の如くコート着て

手袋着用(新聞で手が切れるし寒いから)で配ってた。


いつも会う仕事帰りのタクシーの運転手の爺ちゃんに会い挨拶をし

幼稚園の前の公園を見たときのことだった。


無人のはずの公園でブランコが揺れてる、人がいた。


ありえなかった。


ビビッた、

ウォークマンの音楽も聞こえなくなるくらいビビッた。


目を背けて公園を通り過ぎた


でも気になって公園のほうをみたんだ。


いなくなってたけど、ブランコは揺れていた…


いたんだアソコになんかが


もう正気じゃなくて、

新聞を新聞受けに入れずに

庭・駐車場に投げて配った。


公園から離れたかった


やっと公園を離れれる角にきた、

曲がると…子供がしゃがんでた、こんな時間に。


もうね…逃げた


とりあえず、新聞積んだチャリで

タクシーの運ちゃんの爺さんのとこに行った


起きてる人で中に入れてくれそうなのその人だけだから、

着いて飛び降りて爺さんの家のドアを叩いた


「し、新聞配達のものなんですけど…助けて!!!」


って。


爺ちゃんは扉開けて中に入れてくれた


ガタガタ震える俺に


「なにがあったんじゃ!?」


と聞いてきたんで


「ふ、冬なのに半そでの子供が電柱におったありえん、

ついてきとる…」


俺は公園にいた奴が直感的について来たと思った。


配達所に電話してもらい

配達所の人が爺ちゃん家に来てもらうよう頼んでもらった


配達所の人が迎えに来て


「○○君どうしたんよ?」


と聞く。


俺は


「幽霊がおった…ありえん、ありえん」


こんな風に言った


すると、爺ちゃんの家のドアが

ガタガタなりドンドン叩かれる。


ちょっと呆れ顔だった配達所の人の顔が変わった


爺ちゃんは


「ここにおれ、ワシがなんとかするけ」


と塩と数珠持って玄関の方に行きお経唱えとった。


朝7時くらいになって、

外も明るくなって爺ちゃんに


「明るくなったし大丈夫じゃ」


と送り出されて

俺と配達所の人は帰った。


俺はその日で新聞配達を辞めた。