今日は学校も休みだし、外は寒いので部屋に引きこもってます。

(あー雨降ってる??)

窓を開けて空を見上げます。

見上げている目の端に何やら異物が……

少しづつ視線を落としていきます。

段々と焦点がその異物に合っていくと………

〈ここからは私の心の声のみでお送りします。〉

あ、なんだ人の首か~

じゃないわ!ここ2階だし人が居たらおかしい………

てか首だけだよ!生きてる人は首は飛ばせません!!

落ち着け!ヤツはまだ横向きだし私に気付いていない!!

つかなんだこの首、フラフラ飛びやがって飲酒か??飲酒飛行ですか!?

これこのままいくと…良くある感じで、ゆっくりとコッチを向いて…ニタァと笑う…みたいな…

止まったぁぁぁぁ!!

ヤバい不謹慎なこと考えたから!?そうなの??

コッチ向く?え、マジで?

ちょっ、どうするよ?最後まで見るべき?顔拝むべき?

ああああああー!!!

完全に振り向こうとしてるよどうすんだよ!

既に笑顔か!ニヤニヤしてる!

(ここまでで5秒程度経過)

これはヤバい気がする。

冷静に…窓を閉めて、ロールカーテンを引いてリビングに行こう。

ヤツとの距離はおよそ2メートル!まだ間に合う!動け自分!動け!!!

ほらもうヤツの左目とガッツリ目が合ってるから!!

目ぇデカッッ!

右目も見えてきてるから!!

ああああと5秒くらい!?

5!動けよ自分!

4!!笑ってるよニヤついてるよ!

3!!!完全にこっち向いたぁぁぁ!

2!!!!こっち来た!近づいて来た!

1!!!!!ちょっ…口開け…!

「ピシャン!」

「グルグルグル」

「ダッ!!」
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「お母さーん!!窓の外に首が!」

「…ああー通り道なんでしょ」

「は?」

「そんな高いところに浮いてるなら成仏目前だから」

「はぁ…」

「どの人だろうねぇ??」

そう言ったオカンは、ここ一週間に届いた訃報のお知らせの紙を整理しはじめました。

「49日まではフラフラしてるんじゃないの?」