去年の夏頃のお話です。

その日は土曜日で学校も休みでした。

夕方になって眠くなり、いつのまにか寝てしまっていました。

その時、珍しく夢をみました。

夢の中で私はある通りに立っていた。

その通りはなんか変…何処までもブロック塀が続いていて、家もなく、電信柱もない。

道路は舗装もされていない…

天気は曇っていて、雲の色は赤い…

ずっと違和感を感じて辺りを見回していると、突然声が聞こえた…

「ねぇ…」

私はびっくりして前を向く。

さっきまで誰もいなかったのに、私の前に丸刈りの小学生くらいの男の子が立っていた。

「〇〇君が学校に来ないんだ…」

そのコが繰り返し私に言う。

「〇〇君が学校に来ないんだ…」

男の子にそう言われ、なぜか私はもう一度通りを見回した。

そうしたら、さっきまで塀だったのに、家が一件だけあった…

私は男の子に「あの家のコ?」と聞いてみる。

男の子は無言で頷いた。

その家に近づいてみると、家の前に一枚の紙が落ちていた…

何の気なしにその紙を拾った瞬間、景色が変わる。

ある部屋の中が見えた。

男の人がブルーシートの上に何かを並べている…その後ろで女の人が泣いていた。

その時…頭の中に声が聞こえてきた。

「お父さんが僕を殺した…お父さんが僕をバラバラにしたんだ…

頭も手も足も…お母さんはそれを黙ってみてたんだ…」

それと同時に男の子の顔が頭に浮かんだ…

坊っちゃん刈りの可愛い男の子…なぜだかそのコが「〇〇君」だと思った。

急に男の人が叫ぶ

「〇〇の頭がない!!!」

また声が聞こえてきた。

「お父さんが僕を殺して、バラバラにした…」

ここで目が覚めた。

手足の付け根と首が痛い…

体が動かない…金縛りだった。

何とかして体を動かそうとしても動かない。

手足がまるで切り離されたかのように感覚が無い…

ただ、痛みだけを感じていた。

ん?感覚がない??

ふいに手足の付け根と首に冷たい感覚が…

どこからか風が吹いてきたのかと思った。

が、違った。手だ。

冷たい小さな手が、私の手足と首に触れていた…

そして夢の中で殺された、男の子と同じ声が聞こえた…

「お父さんが僕を殺した…足も手も頭もノコギリで切ったんだ…

ネェ…ボクノカラダハドコ?」