これは私が餓狼伝説にはまっていた頃なので、5年位前の話です。
私は怪我のために入院していました。
私の病室は4人部屋で、私の他にもう1人女性の患者がいました。
その人は私より7才年上でしたが、病状が同じ肺炎と言う事ですぐに仲良くなりました。
彼女は酷く病んでいました。
数日おきに落ち込み、酷い時は話しかけても返事が返ってこない程でした。
そしてある日の夜、彼女は病院の屋上から飛び降り自殺をしてしまったのです。
私は悲しくて悲しくて仕方がありませんでした。
何で話を聞いてあげられなかったのか。
何で異変に気付けなかったのか。
悔やんで泣き続けました。
いつの間にか泣き疲れて眠ってしまったようです。
ふと目を覚まして枕元の時計をみると、夜中の2時を指しています。
昨晩彼女が自殺をした時間でした。
チャ…
カチャ…
近くで何か物音がします。
耳をすますと、部屋の中から聞こえているようでした。
病室には他に誰もいないはず…
怖くなった私は、音を立てないようにベッドのカーテンをそっと開けました。
すると正面の彼女が使っていたベッドに誰かがいます。
目を凝らすと彼女でした。
前日に飛び降り自殺をした彼女の幽霊がいるのです。
不思議と怖くはありませんでした。
ただ話をしたくて声をかけようとすると、彼女の幽霊はスー…っとドアを出て何処かに行ってしまいました。
待って!
私が後を追うと、彼女の幽霊は屋上に向かいます。
後を追って屋上に出ると…
なんと彼女の幽霊は屋上から飛び降りてしまったのです。
飛び降り自殺でした。
私は何故止められなかったのかと後悔して泣き崩れました。
そして泣き疲れて寝てしまい、気が付くと次の日の夜中の2時でした。
またカーテンの向こうから音がします。
覗いた私はびっくりしました。
なんとそこには彼女がいたのです。
一昨日飛び降り自殺をした彼女の幽霊が、昨日飛び降り自殺をして幽霊の幽霊になって現れたのです。
私は今度こそ声をかけようと思いました。
彼女の幽霊の幽霊は昨晩と同じようにスー…っと病室を出ました。
慌てて追いかけると、彼女の幽霊の幽霊は通常の入院患者の3倍のスピードで遠ざかって行きます。
そして屋上まで来ると、また飛び降り自殺をしてしまったのです。
私は後悔しました。
何故自分も通常の入院患者の3倍のスピードで追いかけなかったのか。
自分を責め続けました。
しかし後悔しても仕方ありません。
だって私は通常だもの。
そしていつの間にか眠ってしまいました。
気が付くと夜中の2時でした。
カーテンの向こうから物音がします。
覗いた私は驚きました。
そこには3日前に飛び降り自殺をして幽霊となって現れて一昨日飛び降り自殺をして幽霊の幽霊となって
現れて昨日飛び降り自殺をした彼女がいたのです。
今回は準備万端です。
何故なら私は昼間泣きながら靴屋に行き、
小学生に人気のアキレスの運動会用シューズ「イダテン」を購入していたのです。
しかし予想外の事が起こりました。
自殺した彼女の幽霊の幽霊の幽霊も、足元を見るとイダテンを履いていたのです。
話をしようと追ったのですが、
またも追い付けずに彼女の幽霊の幽霊の幽霊は病院の屋上からダイブをしてしまいました。
飛び降り自殺でした。
私は中学、高校と陸上部に所属していました。
そんな走りの経験者である私が負けるなんて考えられません。
私は自分の無力さを嘆いて泣きました。
そして泣きながらプロテインを飲んで筋トレを開始しました。
後悔で泣き疲れて眠っていた私は、夜中の1時に目覚まし時計で目覚めました。
そして体を温めるべくウォーミングアップを開始しました。
そして体も温まり2時5分前になった時、私はカーテンの隙間から部屋の様子を見る事にしました。
私は驚きました。
何とそこには4日前に飛び降り自殺をして幽霊となって現れて3日前に飛び降り自殺をして幽霊の幽霊となって現れて
一昨日飛び降り自殺をして幽霊の幽霊の幽霊となって現れて昨日飛び降り自殺をした彼女が、
ウォーミングアップをしていたのです。
してやられました。
私は追い付けずに彼女の幽霊の幽霊の幽霊の幽霊は病院の屋上からダイブをしてしまったのです。
私は途方に暮れてしまいました。
次の日で退院だった私は…
泣く泣く(陸上人生を)諦める事に決めたのでした。
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